ときどきエクセルのファイルを開いていて、マクロを実行しているとうまく動作しないときがあります。マクロにミスはないのですが、原因がわからず調べてみると、身に覚えのない「ブックの計算」方法が「自動計算」から「手動計算」に変更されていることがあるのです。
知らず知らずのうちに設定されてしまった「手動計算」を「自動計算」に戻す方法と、その原因についてを今回はこ紹介します。
「再計算」と表示されたブックを「自動計算」にする方法
エクセルで手動計算に設定されていると、数値を変更しても再計算をしてくれません。
再計算の状態では、数値を変更しても、自動では計算してくれません。
計算方法を「手動更新」から「自動計算」にする方法には2通りあります。エクセルの「オプション」から変更する方法と、「ツールバー」から変更する方法です。
エクセルのオプションから変更
「ファイル」「オプション」でエクセルのオプションを開きます。
「Excelのオプション」の「数式」で、「ブックの計算」を「手動」から「自動」にチェックを入れて変更します。
すると、「自動」計算になります。
ただし、上書き保存をしないとまた手動計算になってしまいますのでご注意ください。
エクセルのツールバーから変更する方法
エクセルのツールバー、「数式」「計算方法の設定」から、「自動(A)」をクリックします。
これで計算方法が「手動」から「自動」に変更されます。
こちらも変更後、上書き保存をする必要があります。
手動計算にした覚えがないのに手動計算になってしまう
自分では手動計算にした覚えがなくても、なぜ「手動計算」(再計算)になってしまうのでしょうか。
その原因は、他人が作成した「手動計算」のブックを開いてしまい、その後その「手動計算」のファイルを開いたまま、エクセルの別ファイルを編集してしまうことで起こります。
他人が作成した手動計算のエクセルファイルを開いた状態で、自動計算のエクセルファイルを開くと、その瞬間にそのファイルも手動計算になります。そしてきづかないうちに上書き保存してしまい、そのまま手動計算のエクセルファイルとなるのです。
Microsoft Excel では、ドキュメントに保存されている計算方法がそれぞれ異なる場合でも、現在開いているすべてのドキュメントで同じ計算方法が使用されます。
Excel で現在の計算方法が決定されるしくみの説明 – Microsoft Support
例として、「手動計算」に設定しているブックと「自動計算」に設定しているブックで説明します。
「自動計算」に設定しているブックを開いた状態では、その後開くブックはすべて「自動計算」に
まず始めに「自動計算」に設定しているブックを開いたまま、「手動計算」に設定しているブックを開きます。
すると、先ほどの「手動計算」に設定しているブックも「自動計算」となり、数値を変更しても自動計算されます。
逆に「手動計算」に設定しているブックを開いた後に開いたブックはすべて「手動計算」になる
逆に、最初に「手動計算」に設定しているブックを開いた状態から、「自動計算」に設定しているファイルを開くと、その後のファイルはすべて「手動計算」に設定されてしまいます。
その後、知らず知らずのうちに「自動計算」から「手動計算」に変更になったブックを上書き保存すると、そのブックは「手動計算」のファイルになっていきます。
これを自分は「再計算病」と呼んでいます。
エクセル2010以前は作業グループでも伝染していた
作業グループとは、複数のセルを選択し、同時に作業する方法です。以前はこの「作業グループ」で複数をのシートを選択したまま、「保存」すると、計算方法が「手動計算」になっていました。
自分もOffice365を利用する前は2007を利用していて、経験したことがあります。
「作業グループ」を選択するには、「Ctrl」キーを押しながら別シートをクリックします。
Office365では、再現されませんでした。調べてみたら、エクセル2007までは「バグ」のようなものだったそうです。また、2010や2016でも同様に「作業グループ」で保存をしたときに「手動計算」になったのと事例もあるようです。
計算方法を「手動計算」にする必要はあるのか
そもそも「手動計算」に設定する機会は通常はあまりありません。大量の数式が入っていて、数値を変更すると再計算に時間がかかって、編集が大変になるときに利用するようですが、そもそもそのような膨大な計算が必要なシートは、手動計算に変えたとしても、手動計算時に膨大な時間がかかって実用的ではありません。
そのような場合は、エクセルではなくアクセスベースで再構築した方が早いのではないでしょうか。
さまざまなサイトを拝見していると、「手動計算」をすすめているサイトもあるようですが、自分は「自動計算」をおすすめします。今時のパソコンであれば、大量に数式が入っていたとしても、それほど苦になるほどの操作にはならないのではないでしょうか’(個人的な意見です)。
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